紛争の内容
依頼者はホテルの客室清掃業務中、浴室の段差につまずいて転倒し、腕をかばった際に骨折する負傷を負いました。
労働災害として処理されたものの、会社側は依頼者の業務経験が豊富であることを理由に個人の不注意による事故であると主張し、損害賠償の支払いを全面的に拒絶していました。
交渉・調停・訴訟等の経過
会社側に弁護士が就いたため、当事務所も代理人として示談交渉に臨みました。
相手方は依頼者の不注意を理由に責任を否定しましたが、当事務所は類似の作業環境における安全配慮義務に関する裁判例を提示し、危険の予見可能性や回避措置の不備を法的に整理して粘り強く協議を継続しました。
本事例の結末
判例を交えた協議を重ねた結果、相手方会社は自社の安全配慮義務違反を認め、訴訟に至ることなく示談による解決が成立しました。
最終的に会社側から数百万円の損害賠償金の支払いを受ける内容で合意し、妥当な補償を獲得することができました。
本事例に学ぶこと
労働災害において、会社側が被災者の職務経験や不注意を理由に賠償責任を否定するケースは多く見られます。
しかし、作業現場の構造的要因や安全対策の有無を精査し、裁判例に基づく論理的な主張を行うことで、会社の責任を認めさせられる可能性があります。
弁護士 申 景秀




