紛争の内容
ご依頼者の方は、作業中に足場から転落するという労災事故に遭われ、後遺障害等級1級の認定を受けるほどの重い障害を負い、お仕事を続けることができなくなりました。会社は労災申請などの手続には協力してくれたものの、「成年後見人を立てなければ賠償金の支払いはできない」と主張してきたため、賠償金の支払いをめぐって紛争となりました。
交渉・調停・訴訟等の経過
会社は成年後見人の選任を支払いの条件としていましたが、実際にはご依頼者の方ご本人に意識があり、十分にお話ができる状態でした。そこで当事務所では、ご本人と直接ご相談のうえで判断能力に問題がないことを確認し、成年後見人を立てることなく交渉を進められると判断いたしました。その後、弁護士が会社との交渉窓口となり、過失割合についてもかなり踏み込んだ交渉を重ねました。
本事例の結末
成年後見人を選任することなく交渉を成立させ、最終的に約5,000万円の慰謝料等を獲得することができました。これは、弁護士が介入しなければ獲得できなかった金員であると考えております。
本事例に学ぶこと
本事例からまず学べることは、会社側から「成年後見人を立てなければ支払えない」と言われた場合でも、それを鵜呑みにする必要はないということです。重い後遺障害が残った場合であっても、ご本人に意識があり、お話ができ、判断能力が保たれているのであれば、成年後見人を選任せずに交渉を進められる場合があります。成年後見人の選任には時間も費用もかかり、ご家族のご負担も大きくなりますから、本当に選任が必要かどうかは、弁護士が直接ご本人とお会いして慎重に判断することが重要です。
また、労災事故においては、会社が労災申請に協力的であったとしても、それと会社に対する損害賠償請求とは別の問題です。過失割合の認定ひとつで賠償額は大きく変わりますが、弁護士が介入して粘り強く交渉することで、ご本人やご家族だけでは到底得られなかった水準の賠償金を獲得できることがあります。重大な労災事故に遭われた場合には、できるだけ早い段階で弁護士にご相談いただくことが、正当な賠償を受けるための第一歩となります。
弁護士 申 景秀
弁護士 遠藤 吏恭





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