紛争の内容
ご依頼者の方は、勤務先での業務中に事故に遭われ、治療費の支払いを必要とする状況となりました。本来であれば、労働災害(労災)として勤務先を通じて申請手続きが行われるべきところ、勤務先がなかなか対応をしていただけず、ご依頼者の方が適切な補償を受けられない状態が続いておりました。そのような経緯から、労災申請に関するご依頼をいただくこととなりました。
交渉・調停・訴訟等の経過
ご依頼をいただいた後、まず事案の詳細を丁寧に伺い、事故の状況や業務との関連性について整理いたしました。本件では、事故と業務との間に業務起因性が認められるかどうかについて疑義が生じ得る状況であり、申請にあたっては慎重な対応が求められました。
そのため、業務起因性を裏付けるための資料収集や、勤務先との関係整理を丁寧に進め、労働基準監督署への申請手続きをご依頼者の方に代わって行いました。申請にあたっては、事故の状況や業務内容との関連性を具体的かつ丁寧に説明する書面を作成し、提出いたしました。
本事例の結末
申請の結果、無事に労災認定を受けることができました。現在、ご依頼者の方は労災保険による補償のもと、治療に専念していただいております。勤務先の対応が遅れていた時期には大変なご苦労をおかけいたしましたが、適切な手続きを経て、ご依頼者の方が正当な補償を受けられる状況を整えることができました。
本事例に学ぶこと
本事例からは、まず、勤務先が対応をしていただけない場合であっても、労災申請はご依頼者の方ご自身または弁護士等の専門家を通じて行うことができるという点が重要です。勤務先の協力が得られないことを理由に申請を諦める必要はなく、適切なサポートのもとで手続きを進めることが可能です。
次に、業務起因性の立証が難しいと思われる事案であっても、事故の状況や業務内容を丁寧に整理し、適切な書面を作成することで、労災認定を受けられる可能性があるという点です。最初から諦めずに、専門家にご相談いただくことが大切です。
また、労働災害に遭われた場合は、できる限り早い段階で証拠となる資料(事故当時の状況、目撃者の情報、業務内容に関する書類など)を保全しておくことが、その後の申請手続きをスムーズに進めるうえで非常に重要です。
最後に、勤務先が対応に消極的な姿勢を示している場合には、そのまま時間が経過してしまうと、申請に必要な資料の収集が困難になることもございます。早期に弁護士等の専門家にご相談いただくことで、適切な対応策を講じることができますので、お困りの際はお早めにご連絡いただくことをお勧めいたします。
弁護士 申 景秀
弁護士 遠藤 吏恭





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