本コラムを執筆している2021年7月現在、新型コロナウイルス禍が収束する兆しは見えておりません。
そのような中、日々新型コロナウイルス感染症に立ち向かっていらっしゃる医療関係者の方々、また、新型コロナウイルス感染症以外の通常医療を提供してくださっている医療関係者の方々に敬意を表します。

さて、令和2年4月28日・厚生労働省労働基準局補償課長が発出している「新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて」によれば、業務従事中の新型コロナウイルス感染に関しては、次の通りとのことです。

新型コロナウイルス感染症(以下「本感染症」という。)に係る労災補償業務にお ける留意点については、…(中略)…労災保険給付の対象となるものであるが、その判断に際しては、本感染症 の現時点における感染状況と、症状がなくとも感染を拡大させるリスクがあるという本感染症の特性にかんがみた適切な対応が必要となる。
このため、当分の間、別表第1の2第6号5の運用については、調査により感染 経路が特定されなくとも、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したも のと認められる場合には、これに該当するものとして、労災保険給付の対象とすること。
」としたうえで、 具体的な取扱いとしては、

(1)国内の場合
ア 医療従事者等
患者の診療若しくは看護の業務又は介護の業務等に従事する医師、看護師、介護従事者等が新型コロナウイルスに感染した場合には、業務外で感染したことが明らかである場合を除き、原則として労災保険給付の対象となること。

イ 医療従事者等以外の労働者であって感染経路が特定されたもの
感染源が業務に内在していたことが明らかに認められる場合には、労災保 険給付の対象となること。
1 0 年 保 存 機 密 性 1 令 和 3 年 4 月 1 日 か ら 令和 13 年3月 31 日まで

ウ 医療従事者等以外の労働者であって上記イ以外のもの
調査により感染経路が特定されない場合であっても、感染リスクが相対的 に高いと考えられる次のような労働環境下での業務に従事していた労働者が感染したときには、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したもの と認められるか否かを、個々の事案に即して適切に判断すること。
この際、新型コロナウイルスの潜伏期間内の業務従事状況、一般生活状況 等を調査した上で、医学専門家の意見も踏まえて判断すること。
(ア)複数(請求人を含む)の感染者が確認された労働環境下での業務
(イ)顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務
とされていますので、情報共有いたします。

出典 https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000635285.pdf