足場工事会社に勤め、建築工事の現場で足場組立工事をしていた足立さん。
夏のある日、現場で高さ6mの足場上を歩行していると、足場板のツメが破損し、乗っていた足場板が傾き、バランスを崩して、地面に転落してしまいました。
その結果、脊髄損傷等の大けがをしてしまい、両下肢完全麻痺等の後遺症が残ってしまいました。
※労災を説明するための架空事例です。会社名や名前は仮名となります。
1 労災の流れ
今回のように、足立さんの業務が原因となって発生した事故については、労働者災害補償保険(労災保険)から給付金が支給されます。
この給付金は、労災保険という公的な保険に基づいて支払われるものですので、足立さんの使用者の過失があるかどうかは問題になりません。
給付金の内容としては、症状に応じて、治療費の支払い、休業補償、療養給付、傷病年金、障害年金、障害一時金などがあります。
今回、足立さんは、脊髄損傷等の大けがをし、両下肢完全麻痺等の後遺症が残ってしまったということですので、具体的な症状の程度にもよりますが、後遺障害2級、3級に該当する可能性もあります。
2 会社に対する損害賠償請求等の流れ
労災保険からの給付の他に、足場板のツメの破損について、足立さんの使用者に、管理の不備(使用者の過失)がある場合は、足立さんは使用者に対して損害賠償を請求することができます。
ただ、損害賠償の話をしても、使用者が支払ってくれない場合は、足立さんは、裁判所に対して、調停や訴訟を起こす必要があります。
調停や訴訟では、使用者の過失の有無、また、足立さんがどのような損害を被ったのかが争点になります。
調停、訴訟で請求できる損害は、治療費、将来の介護費、装具・器具購入費、家屋改造費、訴訟を起こした場合の弁護士費用(訴訟で勝訴した場合です。ただ、全額が認められるわけではありません)、休業損害、後遺症による逸失利益(後遺症がなければ得られたであろう収入です)、傷害慰謝料、後遺症慰謝料などです。
私たちグリーンリーフ法律事務所の弁護士は、少しでもご負担を軽減することや妥当な賠償を受けることに繋がるよう尽力いたします。
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