労災が発生してしまった場合、事業主も様々な義務を負います。
したがって、労災に遭難してしまった労働者は、事業主がそうした義務を果たしているかを見ていくことになります。
そもそも事業主は、労災発生を防止する義務を負っています。
具体的には、労働安全衛生法という法律で定められている安全衛生管理責任を果たさなければならないという義務です。
したがって、労働者側からは、そのような安全衛生管理責任を果たしているかどうかという観点で、事業主を見ていくことになります。
労災が発生してしまった場合には、事業主は、労働基準法に定める補償責任を負うほか、不法行為や安全配慮義務違反を理由とする損害賠償責任を負う場合が圧倒的に多いと考えられます。
したがって、労働者側からは、不法行為や安全配慮義務違反を追及できるかを考えていくことになります。
また、労災を発生させてしまった事業主は、再発防止策を講じることが必要です。
場合によっては再発防止書等の作成・提出が、労働基準監督署から要請されることがあります。
したがって、労働者側からは、事業主が再発防止策を講じているかどうかを検討していくことになります。
このように、労災事件を扱う場合、労働者側であっても、事業主が義務や対策を講じているかを確認していくことが必要になります。